AGAの診断・検査

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AGAの診断・検査
  1. はじめに
  2. AGAの診断
  3. AGA以外の脱毛症
  4. AGAの検査
  5. AGAの重症度
  6. まとめ

はじめに

「薄毛が気になる」「自分がAGA(男性型脱毛症)かチェックしたい」という方はどうしたらいいのでしょうか。AGAで病院を受診した際にどのようにしてAGAを診断するのか病院ではどのような検査があるのかをご紹介します。


AGAの診断

AGAの診断・検査

AGAとは「思春期以降に始まり、進行する脱毛症」のことです。特徴としては、前頭部や頭頂部に脱毛が見られることです。

結論から言うと、AGAの診断はこの2点だけです。

つまり

  1. 前頭部や頭頂部の脱毛である
  2. 脱毛が年単位で進行している

の2点が当てはまれば、AGAと診断して治療を開始します。

簡単すぎて不安になられるかもしれませんが、これでAGAと診断可能です。つまり、複雑な検査は不要です。しかし、色々な検査をする病院もあります。それはなぜでしょうか。

AGA以外の脱毛症

まずは、薄毛が起きる原因としてAGA以外にどんなものがあるかをみてみましょう。

AGA以外で薄毛になる病気は「円形脱毛症」「慢性休止期脱毛症」があります。大切なことはこれらとAGAを見極めることです。どのようにして見極めるかというと、それが先ほどの「前頭部や頭頂部の脱毛である」「脱毛が年単位で進行している」ことがポイントになります。

それぞれの特徴として

  • 「円形脱毛症」 半年ほどで急速に脱毛します。脱毛部位はさまざまで、重症の場合は脱毛が全身におよびます。
  • 「慢性休止期脱毛症」 薬の服用や鉄・亜鉛の不足、ダイエットなどによって生じます。後頭部を含めた頭部全体に脱毛が見られるのが特徴です。

このように進行スピードと脱毛部位の2点からAGAの診断は可能です。つまり、AGAかどうかのチェックは、問診および視診で行います。つまり、ご自身でAGAの特徴2点をチェックすることでAGAかどうかを判断できます。

AGAの検査

では、なぜAGAの検査を行う病院があるのでしょうか。まずは実際にどんな検査があるのかみてみましょう。

  1. ダーモスコピー(トリコスコピー)
  2. 血液検査
  3. 遺伝子検査

AGAに関連して行われる検査はこの3つです。それぞれを詳しくご説明します。

ダーモスコピー

・ダーモスコピー(トリコスコピー)

 皮膚科で古くからある検査で、英語でDermoscopy (dermo:皮膚の scopy:カメラ)と言います。文字通り、皮膚を見るための虫眼鏡のようなものです。レンズで頭皮を10倍程度に拡大して、頭皮の状態を観察する検査です。

 ただ、これは「見せるための検査」と言えます。治療前後の頭皮の状態を見せて治療効果を見せるためなどに使われます。

 しかし、実際の治療内容には影響しないため私たちゴールドクリニックは、ダーモスコピーは不要と考えています。検査で治療効果があると分かっても、改善している自覚がなければAGA治療としては成功とは言い難いです。

・血液検査

 血液検査では、血中の男性ホルモン値がチェックされます。しかし、これはAGAの診断や治療には無意味です。なぜなら、男性ホルモンの量はAGAと無関係だからです。(詳しくはこちらでご説明しています)

 血液検査で意味があるとすれば、肝臓や腎臓の値をチェックすることはAGAの薬を飲むうえで必要です。しかし、肝臓や腎臓の数値は一般的な健康診断で確認されています。私たちとしても健康診断をうけていない方は、AGAの治療に一方踏み出す際には一度健康診断を受診することをおすすめしています。

・遺伝子検査

 AGAの主な原因は遺伝です。そのため遺伝子を調べることでAGAになりやすいかどうかをある程度調べることは可能です。ただし、遺伝子で分かるのはあくまでAGAになりやすいかどうかです。最終的にAGAのチェックは初めの2点になります。

 もし遺伝子検査が100円、200円で受けられるものであれば一度確認してもいいですが、現在遺伝子検査は安くありません。そして遺伝子検査の結果でAGAの治療方法は変わりません。そのため、遺伝子検査も不要だと考えています。


 ここまでAGAの検査について細かくみてきました。ここで初めの疑問に戻りますが、なぜAGAの検査を行う病院があるのでしょうか。端的に言うと「サービスの一環」だと思います。医学的な必要性ではなく、満足度や権威性を高めるために行なっていると思います。私たちは不要なことにお金をかけるよりも、少しでもお安く正確な医療を提供する方が大切だと考えているので、無駄な検査は行いません

AGAの重症度

最後におまけですが、AGAを気にされる方はこの図を見たことがあるのではないでしょうか。

ハミルトン・ノーウッド分類

AGAの重症度分類として有名な「ハミルトン・ノーウッド分類」です。

複雑そうに見えますが、前頭部や頭頂部からAGAが進行していくということを示しているだけです。また、「Ⅱ型」や「Ⅳ型」など分類はありますが、見て分かるように明らかな境界はありません。そのため、診察する医師によっても分類が変わってしまいます

重症度分類も一つの目安としては意味はありますが、やはり一番大事なのは「本人の自覚」です。ただ、自覚だけでなくしっかりと評価したいという方には写真での比較がもっとも有効です。


まとめ

身も蓋もない説明をしてきましたが、結論としてAGAの診断・検査は「本人の自覚」がもっとも大切です。病院で行うような複雑な検査は不要です。

わざわざ難しく考える必要はなく、AGAについてしっかりと評価をしたいという方は定期的に頭の写真を撮って比較する方法がもっとも有効です。

参考文献

内山真樹 et al. 日本医事新報 NO.4930 28-34 2018.10.20

日本皮膚科学会円形脱毛症ガイドライン2017年版

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