EDとは
まず、EDとはErectile=勃起 Dysfunction=不全の略です。つまり日本語では「勃起不全」のことです。
そして意外かもしれませんが、医学的にEDの診断は「現状に満足しているか」が基準になります。
つまり、EDの診断は病院での検査ではなく自覚症状によって決まります。
なぜEDになるのか?
では、そもそもなぜEDになってしまうのでしょうか。
EDのメカニズムからご説明していきます。
EDのメカニズムを知るためにまずは、正常な勃起がどのようにして起こるのかをみてみましょう。
勃起のメカニズム
勃起とは
①性的な刺激を脳が認識することで陰茎に刺激が送られます
②刺激を受けると陰茎の血管が広がり流れる血液の量が多くなります
③陰茎の海綿体に流れる血液の量が増えることで海綿体が大きくなります
そして海綿体が大きくなる=勃起です。
EDの方の場合
EDの方の場合は、勃起のメカニズムのどこかに問題があります。
①性的な刺激を脳が認識することで陰茎に刺激が送られます
→性的な刺激を脳が認識しない・脳からの刺激が陰茎に伝わらない
②刺激を受けると陰茎の血管が広がり流れる血液の量が多くなります
→陰茎の血管が正常に機能しない
③陰茎の海綿体に流れる血液の量が増えることで海綿体が大きくなります
→陰茎の海綿体が正常に機能しない
具体的な病気で言うと、①は脊髄損傷の場合、③は交通事故で陰茎損傷をした場合などがあります。そして実際に一番多いのは②の陰茎の血管が正常に機能しない場合です。
EDのメカニズムとしては「陰茎の血管が正常に機能しない」とお伝えしましたが、では正常に機能しない原因とはなんでしょうか。
EDの一番の原因は加齢です。
加齢とともに全身の血管は弱っていきます。そのため陰茎の血管も弱ってしまい、十分な血液が流れなくなってしまいます。そうするとEDになってしまうのです。また加齢だけでなく、生活習慣でもEDになりやすくなってしまいます。
EDの種類:「器質性ED」と「心因性ED」
勃起のメカニズムから、EDの原因をみてきました。
そしてEDに主な原因は陰茎への血管が弱っているためということもみてきました。
ただ、EDの原因はこの勃起のメカニズムだけでは分かりにくいものもあります。
それは「心因性」EDです。心因性EDとは精神的な原因で起こるEDです。
勃起のメカニズムからみてきたものは、身体的な要因による「器質性ED」と言われます。
勃起の仕組みに関して簡単にご説明しましたが、勃起というのは自律神経やホルモンなど様々な影響がある複雑な仕組みです。
そのため、心理的な要因も大きく影響します。
たとえば、過去に性行為で失敗したというトラウマがあってEDになってしまう方や、普段は大丈夫なのにプレッシャーのかかる状態ではEDになってしまう方もいます。
なかには、特定の相手にだけ(妻だけなど)EDになってしまうという例もあります。
実際には、器質性・心因性の片方だけではなく、両方が複雑に絡んでいる方が多いです。
加齢とともに血管が弱って(器質性)にED気味になってしまい、その結果自信を失って性行為の際にプレッシャーを感じて(心因性)EDになってしまうというようなケースです。
EDで受診する流れ
ここまででEDがどのようなものかを見てきました。
では、実際にEDの場合はどうすればいいのでしょうか。EDの方には、何よりED薬が推奨されます。
ここで「何か検査はしなくていいの?」という疑問があるかもしれません。
結論としては、検査は不要です。
理由としては、まずEDかどうかの診断は自覚症状で決まるということははじめにご説明しました。
またEDの原因についても色々な原因がありますが、加齢や生活習慣から血管が弱っていることによる場合が多く、また検査をしても治療法が変わらないため検査をせずに薬で反応をみることが通常です。
もう一つの疑問として「飲み薬以外の治療ないの?」と思われるかもしれません。
結論として、ありません。
現在医学的に確かなものとしては飲み薬のみです。より正確には生活習慣の改善も治療としてはあります。
EDは陰茎の血管が弱ることで生じるため、逆に言うと血管に良いことはEDに良いと言えます。
飲み薬以外に超音波治療なども言われてはいますが、その効果としては医学的な根拠は不十分というのが現状です。
まとめると、EDの治療には1. 生活習慣の見直し 2. ED薬の内服という2つの選択肢があります。
そしてED薬の内服を希望される場合には、複雑な検査は不要です。
必要なものは医師の問診です。
ED薬は持病や現在飲んでいる薬との飲み合わせの関係で使えない方もいるので、医師の問診で問題なくED薬が使えるかを確認する必要があります。
問題なければED薬の処方となります。
ED薬は大きく3種類(バイアグラ 、レビトラ 、シアリス )ありますが、はじめての方には3種類を試すことが勧められています。
まとめ
- EDの診断は自覚症状で「自分の勃起に満足できない状態」。
- EDには器質性EDや心因性EDなど様々ありますが、多くの場合加齢や生活習慣によるもの。
- EDの場合にはED薬を試してみるのが一番。