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コンドームで避妊
性医学

更新日:2021年05月25日

コンドームでの妊娠率・避妊の実際

はじめに

妊娠=受精というのは精子と卵子が出会うことで起きます。
そのため物理的に精子が膣の中に入らなければ妊娠しません

そして普通に考えればコンドームは物理的に精液が膣の中に出ることを防ぐため避妊に失敗することは考えにくいです。
ところが、コンドームの妊娠率(=避妊の失敗)というのは**3%〜14%**ほどと言われます。
この数字は真実なのか、みていきましょう。

そもそも避妊の成功率とは?

よくコンドームでのコンドームの妊娠率(=避妊の失敗)というのは3%〜14%ほどと言われます。
しかし、この
妊娠率
というは具体的に何を指すのでしょうか。
医学的にもっともよく使われる妊娠率というのは**パール指数(Pearl Index)**というものです。

妊娠率(パール指数)=5%と聞くと、100回SEXをすると5回妊娠するという風に思われがちですが、そうではありません。
パール指数とは1年間でその避妊法を行いながら100人中何人が妊娠するかというものです。

パール指数

例えば、パール指数を調べます!と言って、一人の女性が1ヶ月で妊娠した場合は
パール指数=1(妊娠した人数) × 1200 / 1(調べた人数) × 1(調べた月数)
よりパール指数は1200となります。
このようにパール指数は0〜1200の間の値をとります。

コンドームの避妊の失敗率=妊娠率は?

もう一度コンドームに話をもどしましょう。
先ほどお伝えしたコンドームの妊娠率=パール指数は3〜14です。

つまり、1年間コンドームを使ってSEXをした場合に100人中3〜14人が妊娠するということです。

この3〜14という数字は大きいのか、小さいのか。
よく避妊に一番効果があるものとして**経口避妊薬(ピル)**が言われます。
経口避妊薬のパール指数は0.1〜5と言われます。
やはり経口避妊薬の方がコンドームよりも避妊には有効だということがわかります。

しかし、よくみるとコンドームは小さいと3、経口避妊薬は大きいと5と場合によっては経口避妊薬よりもコンドームの方が避妊に有効にもみえます。
では、このコンドームのパール指数の3〜14と幅があるのはなぜなのか。

理想的なコンドームの使用と現実のコンドームの使用

パール指数に幅があるのは、避妊の成功率を調べる際には理想の使用と通常(現実)の使用との両方を考えるからです。

理想の使用 通常の使用
経口避妊薬 0.1 5
コンドーム 3 14

つまり、コンドームは理想的な使い方をすればパール指数 3と非常に優れた避妊方法になります。
一方で通常の使用、つまり現実にはパール指数 14と少なくない方が妊娠します。

つまりコンドームで避妊に失敗する確率がそれなりにあるのはコンドームの問題ではなく、コンドームを使う側の問題なのです。

では、あらためて理想的なコンドームの使用方法をみていきましょう。

コンドームで失敗する場合

コンドームは物理的に精子を通しません。そのため、コンドームを使って妊娠するのは、コンドームが破れる場合とコンドームの外に精子がついている場合です。

コンドームが破れる場合

コンドームを破らないために

まず大切なのはちゃんとしたコンドームを選ぶということです。
実はコンドームは厚生労働省から認可をうけている医療機器です。
そのため通常コンドームとして販売されているものは、一定の強度や漏れがないことを確認されています。
ただジョークグッズとして売られているようなコンドームの場合には、粗悪なものもあります。
とくにコンドームをネットなどで買う際には、それがちゃんとしたコンドームなのかを確認してください。
ちなみにコンドームとして有名なオカモトやサガミはいずれも医療機器として認可を受けています。

  • ちゃんとしたコンドームを選ぶ

次に、コンドームの保存の問題です。
コンドームは天然ゴムラテックスかポリウレタンのいずれかで作られています。
そして、天然ゴムラテックスは60度以上で変形します。
夏場の車のダッシュボードは70度以上になることもあるので、車のダッシュボードにコンドームを入れっぱなしにした場合には、そのコンドームは変形し穴が空いている可能性があります。

また、コンドームも物なので時間とともに劣化していきます。
コンドームの箱などに使用期限が書いてあり、通常は2年~5年なのであまりに古いコンドームは使わないようにしましょう。

  • コンドームは冷暗所に保管する

そして最後は、コンドームを使用する際です。
コンドームも基本的な使用には耐えるように強度を確認されていますが、それでも強い摩擦が加わると破れてしまいます。
そのためコンドームを使用する際に潤いが足りなければローションなどを使用しましょう。

ただし、コンドームの特に天然ゴムラテックスの場合には油性のローションの場合にはゴムが溶けてしまう場合があります。
コンドームにローションを使用する場合に、顔や体の保湿のためのローションなどを使用してしまうとコンドームに小さな穴があいてしまう可能性があります。
そのため、コンドームにつけるローションは水性やシリコン由来のものを使いましょう。
基本的に性行為用に販売されているローションを使えば問題ありません。

  • コンドームを使用する際にはしっかりと潤いを持たせる

  • ただし体用のローションなどは使わず。性行為用(水性やシリコン性)のローションを使う

コンドームの外に精液がつく

コンドームの外に精子がつかないために

もう一つのコンドームで避妊が失敗する主な原因はコンドームの外側に精液がついてしまうことです。
これを防ぐためにはとにかくペニスをコンドームで覆うことです。

  • 挿入ではなく性行為が開始する時点でコンドームをつける
  • コンドームをしっかりとペニスの根本までつける
  • 射精後にペニスを膣から抜くときはコンドームの根本を押さえながら抜く

この3点が大事です。

まとめ

  • 妊娠率(避妊の失敗率)はパール指数(1年間に100人中何人が妊娠するか)で考える
  • コンドームの理想的な使用ではパール指数3だが現実ではパール指数14
  • コンドームを上手に使うことが避妊では非常に重要
  • コンドームを破らないように、コンドームの外に精子がつかないようにする

【参考文献】
東京医科大学雑誌 77(2): 128-136, 2019. Trussell J et al. Contraceptive Technology BMC Public Health  volume 14, Article number: 354 (2014) CDC Condom Effectiveness

老木医師

監修 老木悠人 医師
ゴールドクリニック 院長

医学的根拠に基づいた性に関する情報、性医学の発信に力を入れています