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コンドームは薄ければ薄いほうがいい?
性医学

更新日:2021年05月25日

コンドームの厚さはどこまで感じられるのか

はじめに

避妊や性感染症予防などを十分にできることがコンドームの最低条件です。
しかしそれだけでなく、コンドームはSEXをより満足のいくものにするために様々な工夫がされています。
そんな中で、各社が力をいれているのが、コンドームの厚さです。

しかし、実際に**薄ければ薄いほどコンドームは気持ちいい*のでしょうか。

0.12mmと0.01mmでは実際に違うでしょう。しかし、0.01mmと0.02mmで実際に違いはあるのでしょうか?
人の近くには限界があります。
たとえば0.01mmと0.02mmを目で確認しようとしても不可能です。
では、触覚では0.01mmと0.02mmを区別できるのでしょうか。

コンドームの厚さの幅は0.01mm~0.12mm

コンドームの厚さと素材

まず、コンドームの厚さは実際のところ厚さの問題だけではないということに注意が必要です。
0.01mmと0.02mmはポリウレタン製ですが、0.03mm以上は天然ゴムラテックス製です。
(唯一SKYNというコンドームだけがどちらでもないイソプレンラバーですが、ここではおいておきます)

また、そして素材が違うことで、伸縮性が大きく違います。
天然ゴムラテックスは伸縮性がありますが、ポリウレタンはあまり伸縮性がありません
そのため、薄くても装着感が乏しい可能性があります。

このことを踏まえて比較していきましょう。

実際の商品例としては、この通りです。

厚み(mm) 商品名 メーカー 素材
0.01 ゼロワン オカモト株式会社 ポリウレタン
0.01 サガミオリジナル001 相模ゴム株式会社 ポリウレタン
0.02 ゼロツー オカモト株式会社 ポリウレタン
0.02 サガミオリジナル002 相模ゴム株式会社 ポリウレタン
0.03 003 オカモト株式会社 天然ゴムラテックス
≧0.04 めちゃうす 不二ラテックス株式会社 天然ゴムラテックス
≧0.04 グラマラスバタフライ モイスト ジェクス株式会社 天然ゴムラテックス
0.12 スーパーゴクアツ オカモト株式会社 天然ゴムラテックス

コンドームの厚みをチェック

ただし、それぞれ同じ素材でもメーカーによって違いがあるため、それぞれ複数用意しています。

ただし、0.03mmを作っているのはオカモト株式会社のみでした。相模ゴム株式会社はポリウレタンではオカモト株式会社と同じく薄いものをつくっていますが、天然ゴムラテックスで0.03mmを作っているのは、オカモト株式会社だけでした。

そして0.04mm以上としているのは、メーカーからの正確な厚みの表記が見当たらないためです。

0.09mm以上のものが早漏対策のコンドームとして使われています。
今回は一番分厚いと思われる0.12mmのスーパーゴクアツを用意しました。

どうやって比較するか

医学的な理想的な調べ方としては、数百~数千人に中身がわからないようにコンドームを配布して実際にSEXを行い、その際の満足度などを調べるというやり方です。
実際の処方薬はこのように調べられているのですが、このような調べ方は非常に大変です。

そのため、ここでは手につけて判断します
一番大切なことは、ペニスにつけてどう違うかです。
ただ、ここで確認したいことはコンドームの厚みで感覚がどう変わるかです。

ホムンクルス

これは有名な人の脳内で体の感覚を認識している部分を示したものです。
脳内での面積が広いほど感覚は繊細になります。
背中の感覚が鈍いこともこの図をみればわかります。
同時に、体のなかで一番繊細なのは指先ということもわかります。
性器よりも指先の方が繊細なので、少なくとも指先でわからなければ性器でも厚さによる違いは分からないと言えます。

オカモト 0.01mm vs 0.02mm

オカモト 0.01mm vs 0.02mm

実際にオカモトの0.01mmと0.02mmをつけて触覚に違いがあるかを確かめてみましたが、0.01mmと0.02mmでは違いは分かりませんでした。

サガミ 0.01mm vs 0.02mm

サガミオリジナル0.01mm vs 0.02mm

今度はサガミでも同様に0.01mmと0.02mmをつけて触覚に違いがあるかを確かめましたが、サガミでも0.01mmと0.02mmでは違いは分かりませんでした。

以上から**物理的には「0.01mmと0.02mmの違いは分からない」**ということでした。

0.02mm vs 0.03mm

0.03mmはオカモト株式会社の天然ゴムラテックス製のものしかありません。
そこでオカモトのポリウレタン製の0.02mmと天然ゴムラテックス製の0.03mmを比較します。

オカモト0.02mm vs 0.03mm

これも触った感じとしては、0.02mmと0.03mmであまり違いは分かりませんでした。
ただし、厚みの違いではなく、0.02mmと0.03mmで素材の違いを感じます。
ポリウレタンと天然ゴムラテックスでは摩擦係数=擦れる感触が違います。

補足しておくと、オカモトのポリウレタンとサガミオリジナルのポリウレタンで感覚に違いはありませんでした。

0.03mm vs 0.04-0.05mm(スタンダードなもの)

0.03mm vs 0.04-mm

オカモトの0.03mmとジェクスのグラマラスバタフライと不二ラテックスのめちゃうすを比較します。

これも触った感じとして0.03mmと0.04-0.05mmとも感覚の違いはあまり分かりませんでした。
しかし、同じ天然ゴムラテックスでも各社に違いはあります。
ここでの特徴としてはオカモトの0.03mmの方が他2つと比べて、なめらかな感じ、摩擦が少ない感じがしました。

スーパーゴクアツ(0.12mm)

スーパーゴクアツ

早漏対策として使われるオカモトによるスーパーゴクアツです。
難点としては、コンドームを出すまでコンドームの表裏がわかりません
ただし、開けると明らかに液だまりの向きが分かるので、つける際に確認すれば表裏を間違えることはなさそうです。

0.12mmをつけてみた感覚としては、他のコンドームよりも明らかに一枚薄い皮を隔てている感覚があります。
ただし、スーパーゴクアツの売り文句は**「もはうや何も感じない」**とありますが、そんなことはありません。
ゴムの感じがはっきりしていて、つるつるした感じも強いですが、触っている感触はしっかりとあります。

早漏には物理的な効果に加えて、心理的な効果もあるので、スーパーゴクアツで早漏の改善の可能性は十分にあると思いますが、感覚がなくなるわけではないので、スーパーゴクアツでも早漏の改善が困難な可能性も十分にあると思います。

まとめ

0.01mm~0.12mmまでコンドームを比較してきました。
今回の結論としては

  • 0.01mmと0.02mmも感覚の違いはない
  • 0.02mmと0.03mmは感覚の違いはないが素材の違いがある
  • 0.03mmと0.04-0.05mmも感覚の違いははっきりしないが、メーカーによる素材感が違う
  • 0.12mmは明らかに感触が違うがなにも感じないわけではない

まとめると

0.01から0.04-0.05mmまでは触っている感覚としてあまり違いは感じないが、素材の違いははっきりとしているということです。

補足として、今回試した商品の値段はこの通りです。

商品名 値段 個数 一個当たり(円) 実際 実際の一個当たり
ゼロワン 990 3 330 968 322.7
サガミオリジナル001 1320 5 264 1320 264
ゼロツー 550 3 183.3 522 174
サガミオリジナル002 930 5 186 877 175.4
003 2200 12 183.3 1551 129.25
めちゃうす 3300 36 91.7 1031 28.6
グラマラスバタフライ モイスト 550 6 91.7 418 69.7
スーパーゴクアツ 1650 10 165 1319 131.9

実際というのは、今回ドラッグストアで購入した値段です。
値段というのは、公式などのHPで表示されている値段です。

補足:今回の限界

医学的な論文では「LImitation」つまり、その論文が証明できることの「限界」をはっきりと示します。
今回、できる範囲でコンドームの違いを比較してきましたが、「限界」としては密着感の再現ができていないこと、一人が一度試しただけということです。

また、物理的にはあまり違いはなくても心理的には「薄いものを使っている!」と思うとより快感が強くなる可能性はあります。

今回、わかったことが確定的とは言えませんが、ぜひ参考に色々試してみてください。

【参考文献】
TVRSJ vol.24 No.1 pp.3-12 2019

老木医師

監修 老木悠人 医師
ゴールドクリニック 院長

医学的根拠に基づいた性に関する情報、性医学の発信に力を入れています