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ゲイのセックスの特徴

更新日:2021年05月25日

ゲイの性行為(アナルセックス)の特徴と気をつけるべきこと

はじめに

ゲイはその性的指向から男性が男性と性行為を行います。
男性が男性と性行為を行うこと自体は問題ありません。
しかし、男性同士の性行為は本来の体の使い方とは違うことがあるため、おさえておくべき注意点があります。
とくにアナルセックスを行う際にはさまざまな点で注意が必要です。

ゲイの性行為の特徴

これまでさまざまな研究からゲイの性的特徴として

  • 性に積極的・挑戦的
  • 複数のパートナー
  • アナルセックス

が挙げられています。

性に積極的というのは、良くも悪くもあります。
積極的なことがいきすぎてしまうとドラッグや危険な性行為に及びかねないからです。
日本に関するデータは少ないですが、世界的にゲイはドラッグを使用したセックス(キメセク)を行う割合が高いことなどが問題視されています。

また、複数のパートナーがいることが多いです。
特定のパートナーよりも不特定多数の性的パートナーがいる傾向があります。
これによって性感染症の蔓延を引き起こしやすくなります。

そして、性行為としてアナルセックスが行われます。
これについてはさまざまな問題がありますので、この後掘り下げていきます。
ただ根本的な問題としてそもそもアナル(肛門・直腸)は性行為のためのものではないということです。

これらの3つの特徴からゲイの間では性感染症が問題となりやすいです。
性感染症についても非常に幅広いのでここでは伝えきれませんが、たとえば日本でHIVの新規感染者の60%はゲイです。男性の1~4%ほどのゲイが60%を占めることから、ゲイの中でのHIVの蔓延が問題になっています。
そして、性感染症はHIVに限りません。
梅毒やアメーバ赤痢、A型肝炎などもゲイに多い性感染症です。

アナルセックスの注意点

そもそもアナル(肛門・直腸)は性行為のための構造をしていません。
性行為を前提とした構造である膣との大きな違いとして

  • 上皮
  • 潤滑液
  • 直腸肛門角

があります。
それぞれ詳しく見ていきます。

膣とアナルの上皮の違い

上皮とは表面を覆っている細胞のことです。
膣はもともと挿入や出産が前提となっているので摩擦に強い細胞で作られています。
一方で、アナルはあくまで排泄のための器官ですので、物理的な刺激に強くありません。

さらに、膣は異物が入ってくるのを前提としているので感染症にもアナルよりも強いです。
腸は食べ物を吸収するための器官です。通常であればバイキンが直接腸に入らず、口から摂取して胃を通るため、胃酸などで殺されてしまいます。そのため、腸自体はバイキンに対するバリアは優れていません。

潤滑液の違い

腸からも腸液は出てきます。
しかし便を考えればわかりやすいですが、腸液はサラサラとしていて摩擦を和らげるものではありません

一方で膣の場合は、摩擦を和らげるためにヌルヌルとした分泌液が出てきます。
これによって膣の摩擦への刺激が抑えられ、膣が傷つくことを防ぎます。

直腸肛門角

直腸は肛門から数cmのところで大きく後ろ(背中側)に折れ曲がっています。平均してこの折れ曲がった直腸肛門角は90度と直角に折れ曲がっています。
これは直腸が恥骨直腸筋によって引っ張られているからです。
通常は直腸肛門角があることによって便が肛門にドスンと落ちてくるのを防ぎます。

直腸肛門角

膣の場合には挿入部分の膣口とその奥の膣の広がりはまっすぐなため挿入しても強い衝撃は加わりません。
しかし、アナルセックスにおいて肛門から挿入した場合には、直腸の壁に直接衝撃が加わることによって直腸を傷つけたり痛みを引き起こす原因となります。

アナルセックスの問題点

このようなことからアナルセックスの問題点として

  • 痛み
  • 肛門・直腸の損傷
  • 性感染症

があります。
ここでは痛み肛門・直腸の損傷についてみていきます。

肛門性交疼痛症(anodyspareunia)

性の多様性が認められてきたなかで、肛門性交も認知されるようになってきました。
そんななかで肛門性交時の痛みを病気として認めようという動きが医学会にも出ています。
いまだに認められていませんが、**肛門性交疼痛症(anodyspareunia)**という病名が認められる日も遠くないかもしれません。

実際にゲイを対象としたある研究では77%の人がある程度の痛みがあるといっています。一方で痛みが強い人は10%以下で、ほとんどの人は痛みはあってもそれほど強くないようです。

また肛門・直腸の損傷として**裂肛(いわゆる切れ痔)**が起こりやすいです。
それも通常の肛門だけにとどまらずより深い直腸に潰瘍などができることがあります。

アナルセックスの痛みを軽くする方法

さきほど見た膣とアナルの違いをおさえておくことである程度痛みや損傷を抑えることができます。

  • 潤滑液 -> しっかりとローションを使う
  • 直腸肛門角 -> 体位を工夫する

まずアナルは膣よりも刺激に弱いことを念頭においてください。
そのため、前戯として肛門周囲をほぐすこと、そしてローションを使用することが必要です。
年齢や慣れとともに痛みは少なくなります。そのため前戯の必要性は人によります。
しかし膣と違って分泌液が乏しい腸の場合にはローションが必要です。

そして直腸肛門角を緩くする体位をとることで、腸をまっすぐにしてあげることで腸への物理的衝撃を和らげることができます。
具体的には**「考える人」のような前傾のポーズで直腸肛門角は緩くなります**。

考える人

また後背位(いわゆるバック)の方が痛いという研究もあります。
そのためできるだけリラックスできる姿勢で行いましょう。

それ以外にも心理的な状態と痛みの関連もあります。
「行為への不安」があると痛みのリスクが倍になります。
理由としては、不安は体つまり筋肉を硬くするため、肛門括約筋を硬くすることなどが考えられます。
そのため心理的にもリラックスした状態で行いましょう。

まとめ

  • ゲイの性行為の特徴はアナルセックスだけではなく、複数のパートナー、性に積極的ということがある
  • これらすべてが性感染症のリスクをあげる
  • アナルは膣と違い性行為のための器官ではないため注意が必要
  • アナルセックスの痛みを軽くするためにローションや体位、リラックスすることが有効

【参考文献】
JSM VOLUME 17, ISSUE 4, P716-730
直腸肛門角・画像引用改変:Management of Fecal Incontinence pp 69-73
JSM VOLUME 14, ISSUE 5, SUPPLEMENT 4, E277-E278

老木医師

監修 老木悠人 医師
ゴールドクリニック 院長

医学的根拠に基づいた性に関する情報、性医学の発信に力を入れています