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ドライオーガズムとは

更新日:2021年06月15日

ドライオーガズム

はじめに

「ドライオーガズム」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
簡単に言えば、ドライオーガズムとは男性が射精をせずにオーガズムに達することです。
ドライオーガズムはどんなことが良いのか、ドライオーガズムに問題はないのか、そしてどうすればドライオーガズムを得られるのかを最新の医学論文から紐解いていきます。

ドライオーガズムとは

まずそもそもオーガズムとは、性的快感のピークのことです。 一般的には、イク、絶頂などと言われます。 ドライオーガズムは射精をしないためにドライ = dry = 乾いたという言葉が使われています。 逆にこれの反対で、射精をするオーガズムはウェットオーガズム(wet orgasm)と言うこともあります。

ここで注意が必要なのは、ドライオーガズムはあくまで「射精をしないでオーガズムを得る」ことです。
ドライオーガズム = 前立腺の刺激と思われることがありますが、これは誤りです。

ただし、医学的にはあまりドライオーガズムという言葉は使われません。
ドライオーガズムに似た医学的用語としては、多オーガズム(multiple orgasm)や無射精(anejaculation)が挙げられます。

ドライオーガズムのメリット

ドライオーガズムのメリットとしては、短時間で何回でもオーガズムを感じられることです。
では、なぜドライオーガズムでは何回もオーガズムを感じられるのでしょうか。

男性は一度射精すると、しばらく不応期、いわゆる賢者タイムが来て性的刺激に反応しなくなります。
これを避ける方法の一つは、射精をしないことです。
そのため、ドライオーガズムは何回もオーガズムに達せられるのです。

では、回数の他にドライオーガズム自体の気持ちよさはどうなのでしょうか。
つまり、オーガズムの強さが普通の射精をするオーガズムよりも気持ちがいいということはあるのでしょうか。
その答えとしては、基本的には変わらないが、なかにはドライオーガズムの方を好む人もいるということです。

ドライオーガズムの中でも、前立腺や肛門からの刺激でドライオーガズムに至る場合には、より男性にとって神秘につつまれています。
しかし、前立腺からの刺激での快感をなぜオーガズムと認識できるのでしょうか。
それは、どちらも肛門括約筋の収縮などの特徴的な反応があるからです。
つまり、オーガズムとして最終的な経路は同じということです。
その中で、場合によっては前立腺からの刺激の方が骨盤全体に快感が広がるために好む人もいますが、一般的にドライオーガズムの方が通常のオーガズムよりも気持ちいいということはありません

ドライオーガズムの問題点

ドライオーガズムを経験しすぎると問題がある、というような事実はいまのところありません。

一方で、ドライオーガズムを意図して行なっているかというのは問題になります。
本来、ドライオーガズムとはオーガズムがきても射精しないという状態を指します。
これが、出したくても精液が出ないという状態であれば、これは医学的に問題がある場合があります。

望まないドライオーガズムの原因

出したくても精液が出ないという方には、前立腺手術などを行なった方の一部や、性転換手術などを行なった方など、根本的に精液が出ない方がいます。

一方で、そのような手術を行なっておらず、射精をしても毎回精液がちゃんと出ないという場合には、逆行性射精などの疾患の可能性があります。

逆行性射精

本来射精は、前立腺のところから出てきた精液が尿道を通って体の外に出されます。
逆行性射精では、精液が尿道を逆流することで膀胱の中に入ってしまう状態をいいます。
妊娠の望む場合には、治療が必要になるので、薬や場合によっては手術が必要になります。

ドライオーガズムを得る方法

ドライオーガズムに関する研究はいまだに進行中です。
また、ドライオーガズムを得る方法を紹介していきますが、そもそも体質によってできる人とできない人がいる可能性があります。
まだまだ研究途中ですが、医学的には男性ホルモンであるテストステロンが非常に低い人で認めたとの報告がなされています。

ドライオーガズムを得られるのは、体質+方法が必要なのかもしれません

射精をさける練習をする

練習をせずにもともとドライオーガズムを得られたという人もいます。
その一方で、ドライオーガズムをえるために射精をしない練習をすることでドライオーガズムを得られるようになったという人もいます。
ドライオーガズムを得るために、肛門括約筋などを意識して射精をせずにオーガズムを得る練習を繰り返してドライオーガズムに至るという方法です。

ただし、ここで注意が必要なのは、マスターベーションの最後には必ず射精をするということです。
射精をせずにマスターベーションを終えるということを繰り返していた場合、精巣(キンタマ)から出された精子が中途半端なところに止まってしまい、炎症を引き起こすことがあります。
これをさけるために、マスターベーションをして途中は我慢するなどをしてもいいけれど、最後には射精をするということが大切です。

道具の使用

前立腺や肛門を刺激して、射精をせずに複数回のオーガズムがえられたという報告がなされています。
そのなかでも、エネマグラなどの男性用の肛門〜前立腺を刺激する道具の使用でドライオーガズムにいたりやすいと言われています。

ただし、これらの道具を使用する際も、清潔にすること、無理にいれすぎないことに気をつけてください。
肛門にものが入ってとれなくなって病院を受診する方は本当に少なくありません。
また、無理に肛門に押し込んで、腸がやぶれてしまった場合には大きな手術が必要な場合もあります。

まずは、ご自身の体を傷つけないことを前提にしてください。

まとめ

ドライオーガズムは医学的にもまだ不明なところが多いです。
現状でわかっていることは

  • 射精をしないことで、複数回のオーガズムを得られること

  • ホルモンの影響があるので、体質によって得られる人と得られない人がいる可能性があること

  • 練習や道具による肛門〜前立腺の刺激で得られること

です。

【参考文献】
Sexual Medicine REVIEWs| VOLUME 4, ISSUE 2, P136-148
泌尿器外科 2019年 32(6),833~837
画像引用:泌尿器ケア 16(5): 486-489, 2011

老木医師

監修 老木悠人 医師
ゴールドクリニック 院長

医学的根拠に基づいた性に関する情報、性医学の発信に力を入れています