
監修 老木悠人 医師
ゴールドクリニック 院長
医学的根拠に基づいた性に関する情報、性医学の発信に力を入れています
更新日:2021年05月25日
早漏は世界的にはEDよりも多いと考えられています。
そのため診断・治療などが色々考えられていますが、一方で日本では早漏に対してあまり理解がある状況とは言えません。
そのため、実際に「早漏」という訴えで受診してもなかなかとりあってもらえません。
早漏で悩んでいる方がとれる選択肢としては
一般的な病院を受診する
早漏治療を宣伝しているクリニックを受診する
個人輸入の薬を使う
などがあります。
早漏を改善するおすすめする結論としては
早漏「以外」の理由で一般的な病院を受診する!
です。
私たちゴールドクリニックとしても早漏で悩んでいる方を少しでも解決したいと考えています。
しかし実際に多くの方が一番幸せな方法を考えると上記の結論になります。
では具体的にみていきましょう。
まず、自分はそもそも早漏なのか分からないという方もいるでしょう。
「早漏とは」というところでご説明しましたが、早漏は主に自覚症状で決まります。
ご自身が、射精を「コントロール」できず、「早い」と感じていて、それに「ストレス」を感じている場合には早漏となります。
そう言われても、はっきりとさせたいという方には早漏診断ツールというものがあります。
さきほどの自覚症状をよりはっきりと問診形式で確認するものです。
「射精を遅らせるのはどれぐらい難しいですか?」などの簡単な質問に5つ答えて、それで点数が決まります。
気になる方は、こちらの早漏診断のページからご確認ください。
では、早漏であると分かってから次にどうするかです。
早漏には生まれてからずっと早漏である先天性早漏と、もともとは早漏でなかったのになにからのきっかけで早漏になってしまった後天性早漏の二つがあります。
先天性早漏の方は、「早漏の治療法」でご説明するようにED治療薬の使用がおすすめです。
一方で、後天性早漏の方は、早漏となった原因を解決することで早漏が改善する可能性があります。
そのため、改善できる早漏の原因を調べるために一般的な病院の受診をおすすめしています。
まず、一般的な病院というのはいわゆる総合病院のことです。
一つの科だけではなく内科や外科がある、どんな地域にも一つはある病院のことを指します。
そして、はじめにお伝えしたとおり早漏は医師の間でも日本ではあまり理解されていません。
また、早漏の治療は一般的な保険診療ではなく自費診療となります。
そのため、一般的な病院に早漏で受診しようとしても、あまりとりあってくれません。
しかし、早漏の原因となっている「早漏以外」の治療には総合病院が適しています。
早漏のメカニズムはさまざまあり、ご説明してきたとおりですが、その中でも大事なのは他の病気の原因から早漏になることがあるということです。
そのなかで主な3つの原因として
ED
甲状腺機能亢進症
慢性前立腺炎
の3つがあります。
EDについては早漏のメカニズムでご説明したので割愛します。
【甲状腺とは】
甲状腺とは、首にある甲状腺ホルモンを分泌する器官です。
甲状腺ホルモンは代謝を上げる働きをします。
【甲状腺機能亢進症とは】
甲状腺機能亢進症とは、甲状腺の機能が過剰に活発になる病気のことをさします。
より具体的には、Basedow(バセドウ)病や甲状腺炎なども甲状腺機能亢進症に含まれます。
甲状腺の機能が活発になると代謝が活発になるため、よくある症状として
などがあります。
【早漏との関係】
そして甲状腺機能亢進症の方の50% 〜70%が早漏です。
また、甲状腺機能亢進症を治療した際には早漏も改善することがわかっています。
【甲状腺機能亢進症で受診すると】
甲状腺機能亢進症を診断するためには、採血で甲状腺ホルモンを調べる必要があります。
小さなクリニックでは結果が出るのに時間がかかりますが、総合病院ではほとんどの場合当日甲状腺ホルモンの結果がわかります。
そして甲状腺機能亢進症と分かった場合には、その原因ごとに治療をおこないます。
以上から、手が震える、脈拍が早い、汗が多いなどの症状がある方はまず一般的な病院の受診をおすすめします。
【前立腺とは】
前立腺は射精の際に精液が通る場所でもあります。
そのため、前立腺とは射精の際にさまざまな働きをします。
実際、精液とは精子だけではなく前立腺から分泌される前立腺液も含まれています。
【慢性前立腺とは】
慢性前立腺炎とは、慢性的に前立腺に炎症が起きている状態を指します。
簡単にいうと前立腺にバイキンが入ったけれど、それに気づかずバイキンが前立腺で繁殖している状態と考えてください。
前立腺に炎症が起きているので
健診の尿検査で尿中白血球が(+)や(2+)など陽性
排尿時に腰の奥(前立腺)が痛くなる
などの症状がある際に前立腺炎を疑います。
【早漏との関係】
慢性前立腺炎の約30%の方で早漏を認めています。
また前立腺炎に対して抗生物質で治療をすると、80%以上の方が早漏も改善しました。
ということで、ここまでをまとめると
このような流れになります。
では、この次はなぜ他のものをおすすめしないかをご説明します。
大きく理由は2点です。
自費診療のため高くなる
危険な薬を処方している可能性がある
「早漏」の治療目的で受診した場合には、基本的にすべて自費診療となってしまします。
その場合、すべての検査が全額負担になります。
一方で、早漏「以外」の甲状腺機能亢進症を疑う場合や前立腺炎を疑って受診した場合には、保険診療としてさまざまな検査が可能です。
そのため、まずは一般的な病院の受診をおすすめします。
非常に残念なことですが、正規の医療機関でも違法なことをしている場合があります。
たとえば、
ED治療薬でも以前にあるクリニックが薬を不正に輸入した例があります。
早漏の治療のところで詳しくご説明していますが、現在日本で早漏の治療として認められている薬はありません。
そのため、医療機関でも安全に入手した薬ではない可能性があります。
そのため、「早漏治療」を前面に押し出しているクリニックはあまりおすすめしていません。
私たちゴールドクリニックも少しでもよりより治療をご提供したいと考えていますが、今の日本の現状では難しいのが現状です。
ネットが盛んな現代では、多くの薬が個人輸入として手に入れられます。
しかしながら個人輸入の多くが偽造薬ということが厚労省の調査でわかっています。
そして実際に早漏改善薬といわれた薬を使用して死亡した例も2016年に日本で報告されています。
早漏の診断には早漏診断ツールがある
後天性早漏の場合には甲状腺機能亢進症や慢性前立腺炎の場合がある
早漏「以外」で一般的な病院を受診することで早漏治療ができる場合がある
【参考文献】
Journal Sexual Medicine VOLUME 8, SUPPLEMENT 4, 316-327
Journal Sexual Medicine VOLUME 8, SUPPLEMENT 4, 335-341
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監修 老木悠人 医師
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