ゴールドクリニックのロゴ

女性の体のまとめ

ポルチオについて

更新日:2021年05月25日

ポルチオは性感帯?どこにある?

はじめに

性的な好奇心が強い人であれば**「ポルチオ」**という言葉を聞いたことがあると思います。
しかしポルチオについて医学的に真面目に考えている人をみたことがありません。
今回はそんなポルチオ問題に決着をつけます。
先に結論を言ってしまうと、ポルチオは性感帯ではないが、ポルチオの近くに性感帯があるということです。
詳しくみていきましょう。

ポルチオとは子宮膣部のこと

まず**「ポルチオ」という部位があるのは日本だけです。
世界的には、つまり
医学的にはポルチオなどという体のパーツはありません。**

そもそもポルチオ=portioは**ラテン語で「部分」「パーツ」**を意味します。
なので「ポルチオ」だけでは意味をなさず「Portio ~~」ということで「〜〜部」と意味をなします。
それでも日本では「ポルチオという部分がある」「ポルチオは性感帯」という認識が強くあります。<br. まず、なぜそうなったかを考えてみましょう。

資料を大量に調べていると「ポルチオ」という言葉が出てきたのは1925年の日本内科学会雑誌に東京帝国大学の先生が論文を寄せているのが見つかりました。

ポルチオと探せた範囲で初出の論文

ただし、ここでの「ポルチオ」は性的な部分は全く違います。文脈から胆管(肝臓と胆嚢をつなぐ管)の一部を指していると思われます。
これも「ポルチオ」が部分という意味しかないためです。

しかし、性的にポルチオという言葉が使われる原因は別の2004年の論文ではっきりします。

子宮膣部 portio vaginalis uteriを通常ポルチオ(「部分」の意)と呼び

と、医師たちが業界用語的に子宮膣部をポルチオと言っていたことが分かります。

つまり**「ポルチオ=子宮膣部」**です。

ポルチオ=子宮膣部とはどこにあるのか

子宮膣部

子宮膣部は読んで字のごとく**「子宮が膣に飛び出している部分」**です。
この図は子宮のことがわかりやすく書かれているため、少し誤解を生みやすい部分があります。
それは以前に女性の体でご説明したのですが、子宮は膣の途中にあります

女性器を中心に断面図

そのためこの子宮膣部とGスポットを間違える方が多いです。
Gスポットでたまに言われる「膣の中でコリコリした部分」というのはGスポットではなく子宮膣部=ポルチオです。
Gスポットのところでお伝えしたようにGスポット自体は触っても他の膣とまったく同じです。

補足ですが**「ポルチオは指では届かない」というのは誤解**です。
わかりやすい証拠としては、産婦人科での内診(膣に手を入れて妊娠の状態を確認する)では子宮膣部を触れて確かめることが多いです。

ポルチオは性感帯なのか

ここまででポルチオがどこにあるのかは分かりました。
次に大切なのはポルチオが性感帯なのかということです。

答えは**「ポルチオは性感帯とは考えにくい」**ということです。
一方で、膣の奥への刺激はなぜ気持ちいいのかという疑問が湧いてきます。
順番に考えていきましょう。

まずポルチオが性感帯となるかどうかは医学的には議論が分かれています。
が、ポルチオが性感帯ではないと考える強い証拠として、子宮を手術でとった人の性的満足度が変わらなかったという研究があります。
もしポルチオが強力な性感帯であれば、性的満足度は落ちるはずです。
ところが、問題なかったことからポルチオは性感帯とは考えづらいということです。

一方で、膣の奥への刺激はなぜ気持ちいいのかという疑問についてですが、これはオーガズムのところでご説明したように、膣の奥1/5~2/5のところは神経が多い部分=感度が高いと思われる部分があります。
ここを刺激しているため膣の奥への快感があると考えられます。
また、これも「ポルチオは指では刺激できない」という誤解を導いていると思います。ポルチオ自体は指で刺激できますが、肝心の性感帯である膣の奥の部分は指で刺激できないためです。

まとめ

  • ポルチオ=子宮膣部
  • ポルチオは指で触れる。ポルチオは感触が膣とは違う
  • ポルチオは性感帯ではない
  • 真の性感帯である膣の奥1/5~2/5の部分は指では刺激しにくい

【参考文献・画像引用】 画像引用・改変:日本内科学会雑誌 1925年 13 巻 513-515
日生気誌41(4):155-162
子宮膣部の図引用・改変:HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY VOL.26 NO.1 11-16
JSM  VOLUME 3, ISSUE 4, P264-278

老木医師

監修 老木悠人 医師
ゴールドクリニック 院長

医学的根拠に基づいた性に関する情報、性医学の発信に力を入れています