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早漏のトレーニング〜診断・治療

更新日:2021年03月22日

世界と日本の早漏治療

はじめに

残念ながら日本での早漏の治療は遅れています。
早漏の治療は世界的な、スタンダードが日本で行うことはできません。

日本で可能な選択肢としては、

  • ED治療薬(バイアグラなど)
  • 早漏改善トレーニング
  • 抗うつ剤(SSRI)
  • 局所麻酔

があります。
一方で、世界ではこれに加えて

  • ダポキセチン

があります。

そして現在日本で使用可能で、当院がおすすめする方法としてはED治療薬(バイアグラなど)の使用と早漏改善トレーニングの2つです。

具体的にみていきましょう。

世界的にベストな早漏の治療

まず、世界的に現在ベストとされる治療は、早漏が先天性早漏か後天性早漏かによります。
先天性早漏とは、生まれつきの早漏の方のことで、人生で初めての性交から常に早漏の方のことです。
先天性早漏の方は、脳の反応などの体質的に早漏であるため、薬での治療、とくにダポキセチンがもっとも適しています。
一方で、後天性早漏の方の場合は、薬での治療も有効ですがまずは早漏改善トレーニングを試してみることがいいでしょう。

また、早漏とEDの両方がある方は、まずはEDの治療、つまりED治療薬の使用が推奨されています。

簡単にまとめると

  • 先天性早漏:ダポキセチン
  • 後天性早漏:早漏トレーニング (+ ダポキセチン)
  • EDと早漏の療法:ED治療薬(バイアグラなど)

となっています。


早漏治療薬のダポキセチンについて

ダポキセチンはもっとも新しく開発された早漏治療薬として多くの国で使用されている薬です。
実は、薬の効果としては、後ほどご説明する他のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と同じです。ただし、薬が効果を発揮する時間が他のSSRIと比べて非常に短いため、効果が出やすく、副作用が少ないことが特徴です。

実際のダポキセチンの治療効果としては、先天性早漏・後天性早漏の方ともに挿入時間が8倍以上に伸びたという結果が出ています。

効果がしっかりあることはもちろんですが、ダポキセチンのポイントは副作用の少なさです。
ダポキセチンもSSRIという抗うつ薬の一種ですので、どうしても副作用はあります。
吐き気やめまい、頭痛がそれぞれ約10%ほどの方に認められます。
ただし、ダポキセチンでは他のSSRIの副作用で見られるような離脱症状などの重大な副作用がないことから、現在もっとも有効な早漏治療薬として世界的に使われています。

しかし、日本ではダポキセチンが使用できません。
それは厚労省がダポキセチンの使用を未だに認可していないためです。一番の原因は、日本での早漏に対する理解不足と思います。
ただ、現実問題として日本ではダポキセチンの使用は難しいので、他の選択肢を考える必要があります。


補足ですが
「日本でもダポキセチンは使えるよ」という方もいると思います。
結論として、それでも日本でのダポキセチンの使用はおすすめしません
日本でダポキセチンを使う方法は「個人輸入」、「個人輸入代行」として薬を直接海外から輸入することです。
しかし、この方法は偽造薬をつかんでしまうリスクが非常に高いです。
実際に、ダポキセチンといわれる薬を飲んで死亡した例が日本でも報告されています。
たとえ、個人輸入で入手した薬で死んでも誰も責任はとってくれません。
少なくとも今の日本では、安全のためにダポキセチンを使用することはおすすめしません。


早漏改善トレーニングについて

早漏改善トレーニングとは簡単にいうと、マスターベーションの際に射精を我慢する練習をするということです。
具体的な早漏改善トレーニングの具体的な方法はこちらでご説明しています。

簡単にその有効性についてご説明します。
まず大切なことは、残念ながら先天性早漏の方には効果がないということです。
先天性早漏の方の場合は、薬物療法に頼らざるをえないというのが実情です。

一方で後天性早漏の方は、早漏改善トレーニングで348%挿入時間が伸びたという結果が出ています。

どんな薬でも必ず副作用があるため、後天性早漏の方はまず早漏改善トレーニングがおすすめです。

早漏治療としてのED治療薬(バイアグラ)について

ED治療薬が早漏の改善に有効な理由は2つあります。

  • 1つは、EDが早漏の原因の可能性があるためです。

早漏の原因自体がEDの可能性があるということをこちらでご説明しました。
そのため、EDの改善=早漏の改善になるということです。

  • もう1つは、ED治療薬自体に早漏改善の効果があるということです。

EDではない早漏の方に対してもED治療薬によって挿入時間が1分から15分に伸びたというデータもあります。
そのため、EDではなくともED治療薬自体が早漏に有効です。
また、ED治療薬の種類はバイアグラ・レビトラ・シアリスの3つがありますが、いずれでも早漏改善効果があると考えられています。

日本でのベストな早漏の治療

では早漏治療薬の要であるダポキセチンを使えない場合の日本ではどのように早漏の治療を行うのがよいのでしょう。
私たちは

  • 先天性早漏:ED治療薬
  • 後天性早漏:早漏トレーニング (+ED治療薬)

と考えています。

早漏トレーニングとED治療薬の効果については、これまでご説明してきたとおりです。
一方で、はじめに選択肢としてご説明した抗うつ剤(SSRI)や局所麻酔をなぜおすすめしないのか、をこれからご説明します。

早漏治療としての抗うつ剤をおすすめしない理由

世界的にも早漏治療薬として、もともと抗うつ剤の一種であるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が使われることがあります。
まず、その効果からみてみましょう。

SSRIの作用

そもそもセロトニンは気分を落ち着かせる作用があります。
そして、SSRIはセロトニンが体内で取り込み=分解されることを防ぐことでセロトニンの作用を強くします。
抗うつ剤はこのようにして気分を落ち着かせる作用があります。
一方でセロトニンは射精を抑える効果もあります。
そのためSSRIでは、射精を抑えるセロトニンが強くなることで早漏を防ぐことができるということです。

SSRIの代表例はパロキセチンです。
実際に、効果としてはパロキセチンの使用によって挿入時間が8倍に伸びたというデータがあります。

そしてパロキセチンなどのSSRIであれば、一般的に抗うつ剤として使用されていますので日本でも使用可能です。
しかしSSRIは向精神病薬ですので、使用にはしっかりとした管理が必要です。
一番大きな問題は離脱症状です。
SSRIには離脱症状があり、SSRIの薬が切れたときに「死にたい」という気持ちがでてきてしまうという問題があります。
精神科でSSRIを使用する際には、離脱症状に注意しながら細かなケアを行われますが、日本で早漏治療を行ううえで、そこまでみることができる医療機関はほぼありません。

以上から、早漏治療としてSSRIの使用はおすすめしません。

早漏治療として局所麻酔薬をおすすめしない理由

局所麻酔が早漏に有効なメカニズムとしては非常にシンプルです。
局所麻酔をペニスに使用することで、ペニスの感覚を低下させるということです。

実際に効果としては、挿入時間を約6倍に伸ばしたという報告がなされています。

一方で、局所麻酔の問題は、適量の見極めが難しいこと使うタイミングが難しいことです。
過剰に使った場合には、ペニスのしびれや勃起不全(ED)を引き起こしてしまいます
また、麻酔を効かせるためには挿入前に10分ほど前に使用して、その後拭き取る必要があります。そして十分に拭き取らないと、パートナーも膣の感覚が低下してしまい、お互いに感覚が麻痺してしまいます。

また、日本で使う際にはもう一つ問題があります。
それは世界的には局所麻酔のスプレーが使われていますが、日本ではスプレーは厚労省が認可していないために正規で入手可能なものはゼリー・ジェルタイプのもののみということです。

キシロカインゼリー

世界的に使用されているスプレーであれば均等にペニスに使うことは比較的簡単ですが、日本のゼリータイプであれば、広げることも拭き取ることも困難です。
そのため、さきほどお伝えしたように拭き残しがありパートナーも感覚が麻痺してお互い麻痺した状態でSEXをするという自体に陥る可能性が少なくありません。

そのため、早漏治療として局所麻酔薬はおすすめしません。

【参考文献】
Journal Sexual Medicine  VOLUME 8, SUPPLEMENT 4, 335-341
西日本泌尿器科 80(suppl): 232-232, 2018.
Journal Sexual Medicine VOLUME 8, ISSUE 8, P2135-2143
International Journal of Impotence Research volume 13, pages 41–45